こんにちは!Ninoです!
今回は「デジタル化の未来」について紹介していきます。
今後、テクノロジーの進化によって、社会のデジタル化がさらに進んでいき、様々な商品やサービスの形態が変わってくると考えられます。
日本に住む私たちが、デジタル化と聞いて頭に思い浮かぶものは、次のようなものだと思います。
・ネット予約
・商品情報の確認
・モバイルクーポン
・モバイル決済
・地図・経路検索
・リアルタイム状況の確認(空席、在庫、交通、天気)
これらは、「オフライン=リアル店舗」での利用をサポートするためのデジタル化になっています。
しかし、海外に目を向けると、一部の国では、既にオンラインとオフラインの境界が無くなりつつあります。
それによって、ユーザーの利便性をさらに追求した商品やサービスが提供されています。
中国では国民のデータをオープン化し、信用スコアを導入しています。
エストニアは電子国家と呼ばれ、行政サービスなどが電子化されています。
スウェーデンではキャッシュレスが当たり前で、人間の体内にマイクロチップを埋め込み、手をかざすだけで決済もできたりします。
それらの国と日本を比べたとき、日本はデジタル後進国だといえます。
・デジタル化について
・デジタル化を支えるテクノロジー
・海外のデジタル化の事例
・今後の日本のデジタル化の未来
デジタル化社会について
まずは、デジタル化を理解するうえで、2つの概念を知っておく必要があります。
それが「O2O」と「OMO」です。
オンラインとオフラインを切り離して扱うこと。あくまでオフラインがベースで、オンライン施策によってリアル店舗での購買行動につなげることが目的。似た概念に「オムニチャネル」がある。
オンラインとオフラインを融合し、一体として扱うこと。オンラインもオフラインも関係なく、ユーザー体験の最大化が目的。いかにユーザーが便利に商品やサービスを体験できるかという視点が重視されている。
現在の日本は「O2O」の段階にあり、オフラインを軸にオンラインでサポートするという意識が強いです。
OMOとユーザー体験
OMO段階では、オフラインとオンラインの関係が逆転します。
ユーザー体験の最大化を目的にした結果、オンラインがメインになるケースが増えています。
それには以下のような理由があります。
・リアル店舗まで行かなくていい
・商品を探しやすい→簡単に検索できる
・コミュニケーションのハードルが低い
・商品情報やレビューが多い
・決済が簡単
これらの理由からオンラインでの接点が増えてきています。
それに対して、オフラインは信頼獲得のための貴重な接点として、より高い体験価値や感情価値が求められます。
例えば、店舗の雰囲気や接客の温かみ、イベントなどのレアな体験が必要でしょう。
OMOとテクノロジーの進化
OMOが可能になった背景には、テクノロジーの進化などがあります。
例えば以下のようなものです。
・スマホの普及
→時間と場所に関係なく、インターネットに繋がれるようになった。
・モバイル決済
→決済がオンライン上で可能になった。
・AI
→高い精度の行動予測が可能になった。
・IoT
→インターネットとモノを繋ぐことができるようになった。
・センサー技術
→あらゆる場所にセンサーを設置できるようになった。
これらのテクノロジーによって、人の購買行動だけでなく、あらゆる行動をオンラインデータ化できるようになりました。
そのデータを活用することで、ユーザーの行動を予測し、最適なユーザー体験を構築することが可能になりました。
また、今後は5G技術などもでてくるので、リアルタイムでデータを収集し、その場でレスポンスを行うことが可能になると考えられます。
「第5世代移動通信システム」のこと。高速大容量通信、超信頼・低遅延通信、多数同時接続の3つの特徴がある。これらの特徴によって、4G時代の10倍以上も通信速度が速くなるとされている。
例えば、データ登録をしている店の前を通ると、センサーが検知し、その場で適切な広告やクーポンをスマホで通知されるようになります。
あらかじめデータ会員登録をしているため、ユーザーの特徴に合ったオファーをリアルタイムで提供することができます。
中国のデジタル化
中国にはインターネット人口が8億人います。そのうち97%がスマホで、スマホ所有者の98%がモバイル決済を行っています。
テクノロジーの進化や政府の支援などで、急速にデジタル化が進んでいます。
行動データとモバイル決済
中国では決済プラットフォームが整っており、アリババのアリペイ、テンセントのウィチャットペイが主流となっています。
モバイル決済では、タクシー、シェアリング自転車、デリバリーなどを全部アプリでオーダーから支払いまできます。
それによって、移動データなどの行動データを得られ、ライフスタイルの把握にもつながっています。
これらのデータは主にスマートシティ化、マーケティング、信用スコアなどに利用され、ユーザー体験の最大化に貢献しています。
ジーマ・クレジットの事例
中国では、行動データにより、信用経済・評価社会に移行しつつあります。
アリペイでは、税金、携帯代、水道代、高級ブランドなどのあらゆる支払いをアプリで行えるため、支払い能力を可視化することができるようになりました。(ジーマ・クレジット)
ジーマ・クレジットの評価軸は「個人特性」「支払い能力」「返済履歴」「人脈」「素行」などから決まっています。
それによって、ユーザーの信用スコアが決まります。信用スコアが高いほど、いいサービスが受けれたり、社会的な信用度も上がります。
以下がその例です。
・ホテルでのサービス利用
・傘や充電器の無料レンタル
・ビザの所得プロセスの短縮
・個人融資を受けやすくなる
・賃貸物件を借りやすくなる
ジーマ・クレジットでは、いいことをすると評価されるので、努力次第で信用スコアアップも可能な仕組みになっています。そのため、マナーの向上などにもつながっています。
平安保険グループの事例
平安保険グループは保険事業だけでなく、金融、医療、移動、飲食、住居などの事業にも展開しています。
複数の事業で集めたデータをユーザー体験の向上のために活用しています。
その中で最も上手くいっていると言われているのが、「平安グッドドクターアプリ」という医療系アプリです。
具体的には以下のようなサービスが利用できます。
・アプリ上で無料問診
・アプリでの病院予約
・歩くとポイントが貯まる
・アプリ内商品を買う際にポイントが使える
メリットはユーザーだけでなく、企業側にもあります。
ユーザーがの行動データを利用することで、最適なタイミングで最適なコミュニケーションを取れるようになります。
その結果、営業の効率化やユーザーとの長期的な信頼構築にもつながっています。
フーマーの事例
フーマーはアリババが運営する「OMO型スーパーマーケット」です。
EC機能をもった生鮮食品スーパーマーケットで、利便性の高さと、新鮮で豊富な食材を素早く届ける仕組みがユーザーに支持されています。
具体的には以下のような特徴があります。
・オンラインで注文すると、フーマーの店舗の3キロ圏内であれば、30分以内に配送してもらえる。
・フードコートで新鮮な料理をその場で食べれる。
・店内で注文し、自分は手ぶらで帰り、あとで自宅に届く。
・アプリでクーポンなどを出すことができ、決済もできる。
・チラシやクーポンなどが、AIによってパーソナライズ化。
・店内では、工場見学、市場的な楽しさが味わえる。
これらのように、フーマーは高い効率性とエンターテイメント性を兼ね備えた「リテールテイメント」を実現しています。
その結果、ユーザーの体験価値や感情価値が上がり、信頼関係の構築に貢献しています。
正にOMO時代のオフラインの在り方だと言えます。
エストニアのデジタル化
エストニアは北欧にある小規模な国で、「電子国家」として注目されています。
国民のデータをオープン化し、行政サービスの効率化などを行っています。
また、世界中の人が仮想国民になれる「イーレジデンシー」というプログラムもあり、エストニアに多くの優秀な人材が集まっています。
さらには、IT・プログラミング教育の環境も整っているなど、グローバル人材の育成にも力を入れています。
電子政府
エストニアでは、国民にデジタルIDカードを配布し、電子リーダーで読み込むことで行政サービスや政府のオンラインサービスを利用できるようになっています。
そのため、国民や政府の時間の節約につながっています。
公的サービスの99%が24時間365日、年中無休で利用できるようになっているため、行政の窓口で並ぶ必要がなく、スマホで済ませることができます。
具体的には以下のようなサービスが利用できます。
・住民票の発行
・確定申告
・選挙投票
・税金の支払い
・病院代の支払い
例外で、結婚、離婚、不動産売却はオンライン上でできないことになっています。
デジタルIDカードは、免許証や健康保険証、身分証明書の代わりにもなり、ブロックチェーン技術によって、なりすましや改ざんが不可能になっています。
これらのサービスは、国が提供するOS「エックスロード」やブロックチェーン技術が可能にしました。詳しくは以下の記事を参考にしてみてください。
イーレジデンシー
イーレジデンシーとは、エストニア政府が外国人を「仮想住民」と認め、仮想住民権を与える制度です。
この制度は、エストニアに行ったことない人も顔写真や指紋の登録をすると審査後に仮想居住者になれるため、私たちも手続きさえ行えば仮想住民になれます。
エストニアにとってのメリットは、世界中の優秀な人材をエストニアに集められたり、スタートアップ企業の誕生などが考えられます。
イーレジデンシーでは以下のようなことができます。
・エストニアの電子政府を利用できる
・電子署名が利用できる
・オンラインで法人設立ができる
・様々なオンラインサービスが利用できる
✓ジョバティカル→仕事探し
✓テレポート→住む場所探し
✓リープイン→会社運営サポート
✓ファンダビーム→資金調達
このように、イーレジデンシーを所得することで様々なメリットを受けれます。
日本のデジタル化の未来
ここでは、デジタル後進国である日本のデジタル化がどのように進展していくかを予想します。
恐らく、日本のデジタル化は企業主体で行われ、中国と似たような感じに進展していくんじゃないかと思います。
逆に行政サービスといった国が主体のデジタル化は、実現はかなり先だと思います。
日本の今後のデジタル化の要点は3つあります。
①ユーザー接点の増加
②リテールテイメントの発展
③モバイル決済の普及
①ユーザー接点の増加
企業はユーザーとの関係構築、行動データの所得のために、コンタクトポイントの数や頻度を増やすと考えられます。
例えば以下のようなものです。
・イベント開催
・コミュニティ育成
・位置情報を活用したオファー
・パーソナル化したオファー
・ゲーム体験を組み込んだアプリ
このようにユーザーとの関係を深めるために、ありとあらゆる方法でアプローチしたり、データを活用することで、ユーザー体験を高めていくでしょう。
②リテールテイメントの発展
今後、オフラインの強みを活かすために、リテールテイメントの要素を取り入れるリアル店舗が増えていくと考えられます。
リアル店舗でしか味わえないような体験やサービス、商品などによってユーザーとの信頼を構築したり、SNS映えする体験を提供することで、広告の役割も果たすでしょう。
③モバイル決済の普及
デジタル化の進展のためには、モバイル決済の普及が不可欠です。
モバイル決済が普及することで多くの行動データがとれるようになり、ユーザーの体験価値の向上やマーケティングに活かすことができます。
そのため、ありとあらゆる公共機関での利用や、新規ユーザーの獲得などが今後の課題になってきます。
最後に
デジタル化について重要なことをまとめます。
・日本はデジタル後進国。
・OMOではオフラインとオンラインの境界がなくなる。
・オフラインは信頼獲得のための貴重な接点になる。
・中国ではOMOの段階にある。
・エストニアは電子国家。
・日本のデジタル化の要点は「ユーザー接点の増加」「リテールテイメントの発展」「モバイル決済の普及」。
日本はデジタル後進国。
日本はデジタル後進国ですが、今後確実にデジタル化は進展していきます。
デジタル化が進展した未来では、私たちの生活が大きく変化し、より多くの恩恵を受けれるようになっているでしょう。
以上です!それではまた!