こんにちは!Ninoです!
今回は「社会的ネットワーク」について紹介します。
私たちは、社会的ネットワークを通じてみんなつながっていて、日々の生活での選択、行動、幸福、健康などはネットワークの影響を受けます。
また、社会的ネットワークは、貴重な共有資源でもあり、様々な恩恵を授けてくれます。
私たちは、社会的ネットワークの絆を築くことができ、活用することで、一人でやるよりも多くのこと、様々なことができるようになります。
・社会的ネットワークの特徴
・社会的ネットワークの影響
・社会的ネットワークの構築方法
社会的ネットワークの特徴
私たちは、社会的ネットワークを通じてみんなつながっています。
家族、友人、恋人、学校や職場の同僚など、社会における人間のつながりのこと。
私たちの日々の生活での選択、行動、考え方、感情、幸福、健康などは社会的ネットワークの影響を受けます。(逆に影響を与えることもある)
実際、友人の友人が幸福になると自分も幸福になり、友人の友人の体重が増えると、自分の体重も増えるといったことが分かっています。
また、何を知り、誰と結婚し、どんな病気にかかり、いくら稼ぐかなども私たちを結ぶ絆、社会的ネットワークに左右されます。
社会的ネットワークの絆は築くことができ、活用することで、一人でやるよりも多くのこと、様々なことができるようになります。
社会的ネットワークを活用するためには、いくつかの特徴を理解する必要があります。
具体的には以下のようなものです。
・社会的ネットワークの基本ルール
・六次の隔たりと三次の影響
・ダンバー数
・強い絆と弱い絆
社会的ネットワークの基本ルール
社会的ネットワークには2つの基本的性格があります。それは「絆」と「伝染」です。
【絆】:誰と誰がつながっているかに関わる事柄
【伝染】:絆を経て流れていくもの
また、社会的ネットワークにはいくつかの基本ルールが存在します。
①私たちはネットワークを形づくる
②ネットワークは私たちを形づくる
③友人は私たちに影響を及ぼす
④友人の友人が私たちに影響を及ぼす
⑤ネットワークにはそれ自身の命がある
①私たちはネットワークを形づくる
人間は絶え間なく、社会的ネットワークを作ったり、再構築しています。
私たちがネットワークを構築する際には、特に以下の視点で選んでいます。
・付き合う人数
・交流の深さ
・自分のポジション
また、ネットワーク構築の際の傾向として「ホモフィリー」があります。
自分と似ている人々と仲間になろうとする意識的・無意識的傾向のこと。「類は友を呼ぶ」
こうした選択の多様性によって、ネットワークの構造に相違、多様性が生まれます。
②ネットワークは私たちを形づくる
私たちは、ネットワーク上でどんな位置を占めるかによって影響を受けます。
いくら稼げるのか、幸せになれるか否かなども左右されます。
また、自分のネットワークの質や量だけでなく、友人のネットワークの質や量にも影響を受けます。
【ネットワークの質】:自分の生活内容に影響
【ネットワークの量】:ネットワークの中心につながりやすくなる
③友人は私たちに影響を及ぼす
絆は人から人を通じて、あらゆるものを運びます。
相互に影響し合い、真似し合う人間の傾向が流れを生みます。
④友人の友人が私たちに影響を及ぼす
直接的なつながりを超えて、人から人へと影響が広がっていきます。
人は友人の友人や、友人の友人の友人をも真似する傾向があります。
⑤ネットワークにはそれ自身の命がある
社会的ネットワークは、それ自体生命を持っていて、特性やルールもそれぞれ異なり、多様性があります。
成長し、変化し、再生し、生き延び、そして死ぬというプロセスをネットワーク単位で常に経験します。
また、ネットワークには「創発性」という特性があります。
部分が相互に作用し合いつながり合うことによって、全体が獲得する新しい特性。全体が部分の合計より大きくなる。(例) 料理、音楽、文化など。
ネットワークの創発性によって、自分一人ではできない大きなことを成し遂げることができるようになります。
六次の隔たりと三次の影響
社会的ネットワークには「六次の隔たり」と「三次の影響」という特徴が見られます。
六次の隔たり
自分の友人は一次、友人の友人は二次と数えたとき、あらゆる人が平均して、六次の隔たりによって相互につながっています。
しかし、私たちはそれらの人すべてに影響を及ぼせるわけではありません。
三次の影響
多くの場合、私たちの言動などの影響は、友人(一次)、友人の友人(二次)、さらに友人の友人の友人(三次)にまで影響を及ぼします。(逆に影響も受ける)
その影響力は徐々に弱まり、三次の隔たりを超えると、情報が正確さを失なったり、ネットワークが変化することで、目立った効果がなくなってしまいます。
「三次の影響」は、態度、感情、行動、意見、幸福、スタイルなど幅広い事象に当てはまり、ほとんどの人が数千人とつながっています。
ダンバー数
ダンバー数とは、人間が安定的な社会関係を維持できる限界の人数で、「150人」前後とされています。
また、人間は3の倍数の人数で関わる濃度が変わっていくといいます。
・親友→3~5人
・かなり親しい→10〜15人
・比較的親しい→30〜45人
・たまに連絡をとるくらい→90〜150人
強い絆と弱い絆
強い絆がネットワークの人々を強く結びつけ、弱い絆がネットワーク同士を結びつけてより大きな共同体をつくりだします。
具体的には以下のような特徴があります。
【強い絆】:お互いに共通の知り合いがたくさん存在している
・価値観や行動を強化する
・暗黙のルールが存在する
・強い絆の情報は行動を変えやすい
【弱い絆】:自分たち以外に、ほとんど共通の知り合いがいない
・ネットワーク同士の橋渡しをする
・新しい情報・刺激の提供元
・弱い絆の情報は行動を変えにくい
このように、それぞれに特徴があるため、強い絆と弱い絆を両方持ち、最適なバランスを見つけることが重要になってきます。
社会的ネットワークの影響
社会的ネットワークによって、様々なものが伝染したり、つながり格差が起こったりします。
人生を幸せに生きるためには、それぞれの仕組みや及ぼす影響を理解し、意識的に社会的ネットワークを活用する必要があります。
ネットワークの伝染
社会的ネットワークを通じて、良し悪しに関わらずあらゆるものが伝染します。
具体的には以下のようなものが伝染します。
・幸福
・孤独
・行動
・運動
・病気
・食事
・肥満
・禁煙
・飲酒
・自殺
これらは、ネットワーク内で他人とつながる経路が多ければ多いほど、影響を受けやすくなります。
その人がどんな人であるかより、誰と知り合いか、つまり、ネットワークのどこにいて、周囲で何が起こっているかが問題になります。
実際に以下のようなエビデンスがあります。
【幸福についてのエビデンス】
・直接的につながっている人(一次の隔たりがある人)が幸福だと、本人も約15%幸福になる。二次の隔たりがある人(友人の友人)に対する幸福の効果は約10%、三次の隔たりのある人々(友人の友人の友人)に対する効果は約6%、四次の隔たりまでいくと効果が消滅する。
・.1.6km以内に暮らす友人が幸福になると、あなたが幸福になる可能性は25%増す。対照的に、1.6kmより離れて暮らす友人の幸福には何も影響がない。
・ある人が幸福な友人を持つと、その人が幸福になる可能性は約9%増大する。不幸な友人を持った場合は、幸福になる可能性が約7%減少する。
・直近6ヶ月に1人の友人が幸福になると、人の幸福度は45%上昇する。直近の1年の場合だと35%にすぎず、時が経つにつれ効果が消える
【孤独についてのエビデンス】
・より多くの友人をもつ人は、孤独を感じる機会が少なくなる。友人が1人増えるごとに、孤独を感じる日が1年につきほぼ2日減る。
・平均的な人が孤独を感じる日は1年に48日ある。友人が二人増えれば、孤独な時間は約10%減る。これに家族の存在は影響力をまったく持たない。
・絶えず孤独を感じている人は、2年から4年のうちに平均して約8%の友人を失ってしまう。
・一次の隔たりの人が孤独であれば、あなたは約52%余計に孤独を感じる。二次の隔たりの人の影響は約25%、三次の隔たりの人は約15%。四次になると影響は消える。
引用元:ニコラス・A・クリスタキス(2010)『つながり 社会的ネットワークの驚くべき力』講談社
つながり格差
社会的ネットワークを通じて、私たちの社会に対する二つの不平等が拡大する可能性があります。
【状況的不平等】:一部の人は社会経済的により良い状況にある
【位置的不平等】:一部の人はネットワーク上でより良い位置を占めている
これらは「つながり格差」とも呼ばれ、社会的ネットワークのどこに位置するか、つながりが多いか少ないかに左右されます。
一般に絆をたくさん持っている人ほど、ネットワークの中心にいる傾向があります。
ネットワーク内の位置は「あなたは最も多くの時間を共に過ごしている5人の平均」と言われるように、どんな人たちとつながっているかに左右されます。
社会的ネットワークの中心にいる人は周縁にいる人より、一次、二次、三次の隔たりで多くの人とつながっている可能性が高くなり、ネットワークからの恩恵を受けやすかったり、人気を集めやすかったりします。
結果として、最も多くのつながりを持つ人が、最大の成果を手にし、つながりを「持つ人」「持たざる人」の格差がどんどん広がっていきます。
社会的ネットワークの構築
社会的ネットワークの主な機能は、ネットワーク内に流れているものを利用可能にしてくれることです。
私たちが生み出す社会的ネットワークは、貴重な共有資源でもあり、様々な恩恵を授けてくれます。
また、社会的ネットワークを活用することで、一人ではできない大きなことを成し遂げることができるようになります。
幸福や成功を自分の能力だけに頼る必要はなく、社会的ネットワークを積極的に活用していきましょう。
絆を構築する
「私は、私と私の環境」と言われるように、自分を変えるには、環境や付き合う人を変えるのが効果的です。
絆をたくさん持ち、集団と集団の橋渡しをする人は、情報やコネを与える代わりに、アドバイスやチャンスをもらえる場合が多くなります。
そのため、ネットワークで中心的な位置を占めるようになり、経済面をはじめとする恩恵を受けやすくなります。
そのため、積極的に絆を構築することで、幸福や成功の確率を上げることができます。
具体的には以下のような方法があります。
・スーパーコネクターとつながる
・コミュニティに参加する
・リコネクティングする
スーパーコネクターとつながる
友達が多い=コネクションが多い人(スーパーコネクター)とつながれば、ほぼすべての人脈が集まります。
これは、社会的ネットワークのルールにより、間接的につながることができるからです。
スーパーコネクターは社交範囲が広いので、他人をよく誘ったり、イベントによく参加している人を探してみるとよいでしょう。
コミュニティに参加する
仕事や趣味などのコミュニティに参加することで、ネットワークを広げていくことができます。
イベントに参加したり、スクールに通ったり、SNSを活用するとよいでしょう。
リコネクティングする
最近連絡とってない人と連絡をとることも有効です。
昔の友人などは、信頼関係があるため、コネクティングのハードルやコストが低くなります。
SNSなどを使うことで、リコネクティングを簡単に行えます。
絆を構築する際には、仕事、知識、プライベートなどの目的に応じて、最適な手段を考えることが重要です。
とりあえずネットワークを広げようとするのではなく、目的のためにネットワークを広げるという姿勢が必要です。
最後に
社会的ネットワークについて重要なことをまとめます。
・私たちは、社会的ネットワークを通じてみんなつながっている。
・私たちの日々の生活での選択、行動、考え方、感情、欲望、幸福、愛、健康などは社会的ネットワークの影響を受ける。
・社会的ネットワークの絆を活用することで、一人でやるよりも多くのこと、様々なことができるようになる。
・社会的ネットワークでは「絆」と「伝染」が重要。
・社会的ネットワークのルールを理解し、活用する姿勢が大事。
・社会的ネットワークは、貴重な共有資源でもあり、様々な恩恵を授けてくる。
・目的に応じて、絆を構築していくことが大事。
社会的ネットワークを通じてみんなつながっている。
私たちの日々の生活での選択、行動、考え方、感情、健康などは社会的ネットワークの影響を受けます。
また、社会的ネットワークは、貴重な共有資源でもあり、活用することで、様々な恩恵を受けたり、多くのことを成し遂げることができます。
社会的ネットワークのルールを理解し、目的に応じて、絆を構築していく姿勢が大事です。
以上です!それではまた!