こんにちは!Ninoです!
今回は「選択」をテーマに紹介していきます。
選択は私たちの人生から切り離せない存在です。なぜなら、人は誰しも毎日のようにたくさんの選択を行っているからです。
実際、人は1日に9000回もの選択をしていると言われています。
そのため、選択には、私たちの人生を変えるほどの大きな力が宿っています。
・選択の性質
・選択のコントロール方法
・選択に影響を与えるもの
・選択のテクニック
選択について
コロンビア大学の社会心理学教授、シーナ・アイエンガーは著書『選択の科学』で「選択」についてこのように書いています。
わたしたちが「選択」と呼んでいるものは、自分自身や、自分の置かれた環境を、自分の力で変える能力のことだ。選択するためには、まず「自分の力で変えられる」という認識を持たなくてはならない。
選択には大きな力があり、それを活かすためには自分の力を信じる必要があると語っています。
選択の性質
人生は選択の連続で、その果てに今の自分が存在しています。
つまり、選択には、私たちの生き方を決定するほどの強力な力があります。
選択を利用して、自分の人生を思い通りの方向に向かわせることも可能です。
しかし、未来に何があるか分からない以上、正しい選択を行うことは困難、むしろ不可能に近いです。
人生の多くは運の力に左右されるため、悩みに悩んで選んだとしても、最高の結果をもたらすとは限りません。
逆に考えれば、このような不確実性が多い世の中だからこそ、選択に価値が生まれると言えます。
これらの選択の性質から、私たちが、人生を幸せに生きるためには、「正しい選択ではなく、後悔しない選択をする」ことが重要になります。
選択は本能である
私たち人間には「選択したい」という本能的欲求があります。
そのため、人は可能な限り「選択の自由」を求め、自分の人生を自分で選択しコントロールしたいと思っています。
そのため、私たちは自分の選択の自由を失うと、ストレス、無力感、喪失感を感じてしまいます。
これは主観的なもので「自分がどれだけ選択の自由を持っていると感じられるか」に左右されます。
多すぎる選択肢は何も生まない
「選択肢は多ければ多いほど可能性も広がる」というのは間違いです。
むしろ選択肢が多いと、満足度や充足度、幸福度が低くなるとも言われています。
選択肢に魅了される
私たちは、選択したいという欲求が強すぎて、余計に選択肢を増やしてしまうことがよくあります。
例えば、「何となく役に立ちそうだから」という理由で買ってしまうものは、大抵が選択肢を増やすためのものです。
この場合、選択が手段ではなく、目的になってしまっています。「価値」ではなく、「選択肢」を買っているのです。
選択肢が多いと選べない
私たちは選択を行う時に以下のような手順を踏んでます。
選択肢を認識→比較→順位づけ
私たちの処理能力には限界があります。もし選択肢を認識できたとしても、その後の比較・順位づけで大量の情報によって圧倒されてしまいます。
その結果として、「決断疲れ」が起き、衝動的に選んでしまったり、選択自体を回避してしまいます。
これを証明した有名な実験に「ジャムの実験」というものがあります。
スーパーで、24種類のジャムと6種類のジャムを並べた試食コーナーをそれぞれ配置し、購買にどのような影響を与えるかを調べたところ、以下のような結果になりました。
立ち寄り率 | 購入率 | |
24種類のジャム | 60% | 3% |
6種類のジャム | 40% | 30% |
この実験から分かることは、選択肢の多さは興味を引くが、選択にはつながらず、逆に多すぎる選択肢がノイズとなり、1つの1つの選択肢の魅力が失われるということです。
このように私たちは、選択肢が多すぎると選べなくなってしまいます。
選択の制約
制約は必ずしも「選択の自由」を減らすというわけではありません。
選択に制約を課すことで、本当に大切なことだけに目を向け、選択しやすくなります。
その結果、お金や時間を節約でき、次の選択の際の資源を温存できます。
選択には苦痛を伴うことがある
選択には、精神的、感情的な代償を伴うことがあります。
以下がその例です。
【望ましい選択肢が分からない】
・知識不足
・最高の選択が求められる
・選択肢の見分けがつかない
【選択肢に答えがない】
・どれを選んでもマイナスの結果
・トレードオフ
このような場合、選択自体に苦痛や不安を感じてしまいます。
解決方法としては、知識を身に付けたり、自分の意思で他人に選択を委ねることなどが考えられます。
しかし、どんな選択を行ったとしても、不安になったり、後悔する可能性はあります。
選択をコントロールする
正しい選択を行うためには、すべての選択肢を分析して、その中から最高のものを選ぶ必要があります。
しかし前述したとおり、私たちは、正しい選択を行うことができません。
だからこそ、後悔しない選択を行う必要があります。
そのためには、選択に影響を与えるものを理解し、合理的な選択を自分自身で行う必要があります。
具体的には、バイアスを回避し、選択のテクニックを活用する必要があります。
バイアスを回避する
バイアスとは、認知や思考の偏り、思い込みや偏見のことです。
人間は不合理な生き物で、様々なバイアスに影響されます。
特に以下のようなときにバイアスに影響されやすくなります。
・メンタルに問題がある(ストレス etc.)
・コンディションが悪い(睡眠不足 etc.)
・お金に余裕がない
・時間が足りない
このように、心に余裕がない状態の時に、人間は不合理な選択を行いやすくなってしまいます。
不合理な選択は、バイアスについて知ることで回避できる可能性が高まります。
選択に影響を与えるバイアスには以下のようなものが存在します。
・感情バイアス
→認知や選択が感情によって左右される
・ネガティビティバイアス
→人はネガティブな情報に影響を受けやすい
・確証バイアス
→自分に都合のいい情報ばかりを集める
・正常性バイアス
→自分に都合の悪い情報を無視してしまう
・サンクコストバイアス
→過去のコストを回収しようとして誤った判断をする
・アンカリング効果
→最初の情報が後の認知や行動に影響する
・フレーミング効果
→同じ意味でも表現が異なると印象が変わる
・バンドワゴン効果
→人は大多数に流されやすい
・代表性バイアス
→代表的な事例を基準にしてしまう
・現在志向バイアス
→未来より現在に価値をおく
・プロジェクションバイアス
→今の感情は未来も続くものだと思う
・ハロー効果
→1つの印象的特徴ですべてを評価する
・メモリーバイアス
→歪められた過去の記憶ばかりを思い出す
選択のテクニック
選択を行う際のテクニックについて紹介します。
合理的で後悔しない選択を行うためには、様々な視点から選択肢について考えてみる必要があります。
そのために、以下で紹介する選択のテクニックを活用しましょう。
①自分の価値観に合うか
②バイアスを意識する
③自信過剰にならない
④未来の自分を想像する
⑤時間をお金に変換する
⑥統計を見る
⑦第三者の目を意識する
①自分の価値観に合うか
選択が自分の価値観に合っているかを考えてみましょう。
価値観に合わない選択は、いずれ自分を苦しめる可能性があります。
②バイアスを意識する
人間が衝動や誘惑に負けずに、冷静かつ合理的な判断ができる可能性は50%とも言われています。
選択の際には、一度立ち止まって「自分がバイアスに影響されていないか」と問いかけてみましょう。
③自信過剰にならない
人は何かに取り組むとき、必要な時間や労力を少なく見積もってしまう傾向があります。
根拠のない自信によって「自分なら可能だ」、「自分にはセンスがあるから大丈夫」などと思っていたら、後悔する選択につながる可能性があります。
④未来の自分を想像する
選択が未来の自分に与える影響を考えてみることで、バイアスに影響されずに合理的な選択を行うことが可能になります。
有名なテクニックに「10-10-10ルール」というのがあります。
重大な選択を行う際に、この選択によって、「10分後、10ヶ月後、10年後の自分はどうなっているのか」を考えることで、短期、中期、長期の3つの未来の視点から選択肢を見ることができるというルール。
⑤時間をお金に変換する
時間をお金に変換することで、時間の価値がいくらなのかが見えてきます。
これは余計な選択をして、時間を無駄にしないための考え方です。
以下が例です。
(仮定)時給1500円のバイトをしている
[選択肢1] 1時間バイトをする→1500円の価値 [選択肢2] 1時間本を読む→将来1500円以上の価値 [選択肢3] 1時間ゲームをする→0円の価値→選択肢2を選んだ方が価値がある
このように、時間をお金に変換することで、「本当にこの選択肢には価値があるのか」と考えてみることが大切です。
⑥統計を見る
統計を見ることで、選択の質を高めることができます。
知識や経験に頼ることで、選択にかかる負担を軽減できますが、合理的な判断が困難になります。
⑦第三者の目を意識する
第三者の目を意識することで、選択に客観性がもたらされます。
その結果、間違った思い込みなどに気づくことができます。アドバイスを聞いたり、他人の立場で考えてみましょう。
最後に
選択について重要なことをまとめます。
・人生は選択の連続である。
・選択には人生を変えるほどの大きな力がある。
・正しい選択は存在しない→後悔しない選択をする。
・人は可能な限り「選択の自由」を求める。
・選択の自由をコントロールしなければならない。
・多すぎる選択肢は何も生まない。。
・選択には苦痛を伴うことがある。
・人間はバイアスの影響を受ける。
・選択のテクニックを活用する。
選択を制する者は人生も制する。
選択には無限の可能性が広がっています。
そのため、選択の力を活用することで人生を大きく変えることが可能です。
普段から1つ1つの選択を意識して、後悔しない選択を行っていくことが大切です。
以上です。それではまた!