こんにちは!Ninoです!
今回は「ポジティブ心理学」について紹介します。
ポジティブ心理学とは、人間の生活におけるポジティブな側面に関する心理学で、ポジティブ感情を高める方法など、人生の幸福度を高めるヒントがたくさんあります。
ポジティブ感情は脳機能も高めるため、パフォーマンス向上にいい影響を及ぼします。
具体的には、クリエイティブな発想ができるようになったり、ストレス低減などの効果が期待できます。
・ポジティブ心理学について
・ポジティブ感情について
・ネガティブ感情について
・楽観主義と悲観主義について
・ポジティブ感情を高める方法
ポジティブ心理学について
ポジティブ心理学とは、人間の生活におけるポジティブな側面に関する心理学のこと。
つまり、幸せやウェルビーイング(心身ともに健康な生き方)、繁栄について研究する心理学のことです。
ポジティブ心理学では、ポジティブ感情、幸せ、主観的ウェルビーイング、楽観主義、フロー、レジリエンス、価値基準、モチベーション、強み、人間関係、マインドフルネス、セルフコンパッションなど幅広いジャンルを扱っています。
ポジティブ心理学の大枠を理解する上で、ポジティブ心理学者のマーティン・セリグマンの著書『ポジティブ心理学の挑戦』で述べられている「PERMA理論」というモデルが参考になります。
ウェルビーイング(身体面・精神面・社会面の健康)のために必要な構成要素を5つに分類したもの。
P(positive emotion):ポジティブ感情
E(engagement):エンゲージメント
R(relationships):関係性
M(meaning):意味・意義
A(achievement):達成
具体的な方法については後ほど説明しますが、セリグマンはこれら5つの構成要素を改善することでフローリッシュ(持続的な幸福)を実現できると説明しています。
自分で変えられる40%に集中する
幸せを決定する要因は3つ存在します。
遺伝による設定値→50%
意図的な行動→40%
環境→10%
幸せの感じやすさは遺伝で半分は決まってしまい、人が行動や考え方を通じて変えられる部分は40%とされています。
一般的に外向性が高い人の方が幸せを感じやすく、神経質傾向が高い人は幸せを感じにくいとされています。
*外向性と神経質傾向は5つのパーソナリティ特性(ビッグファイブ)の一因子。
そのため、自分で変えられる40%に集中する必要があります。
人間のパーソナリティ特性を5つに分類したもの。5つの特性次元は誰もが持っていて、人によって特性ごとのレベルが異なる。
①外向性→ 初対面の人とどれぐらい社交的に接することができるか
②神経質傾向→ 不安や緊張をどれくらいしやすいか
③誠実性→ 物事をコツコツと真面目に続ける力
④調和性→ 周りに合わせる力
⑤開放性→ 新しいものへ対する興味や好奇心
楽観主義と悲観主義
楽観主義者か悲観主義者かによって、反応に大きな違いが出てきます。
【楽観主義者】
・未来に総じて確信を持ち、ポジティブな結果が出るだろうという期待をもつ
・悪い出来事に対し、外的、一時的、限定的だと考え、よい出来事は内的、永続的、普遍的と考える
・困難な状況に直面したとき、悲観主義のほど苦痛を感じない
・ネガティブな出来事に、よりうまく対処できる
【悲観主義者】
・全般的に疑問やためらいを感じ、ネガティブな結果を予想する
・悪い出来事について、内的、永続的、普遍的と考え、よい出来事は外的、一時的、限定的と考える
・リスクの高い行動をとらなくないため、自己防衛ができる
楽観主義と悲観主義にはそれぞれメリット・デメリットがありますが、幸せの観点から見た場合、楽観主義者の方がメリットが大きくなります。
ポジティブ感情について
ポジティブ感情とは、喜びや安らぎなど気分がよいと感じるプラスの感情のことです。
ポジティブ感情の種類には以下のようなものがあります。
・喜び
・感謝
・安らぎ
・興味
・希望
・誇り
・愉快
・鼓舞
・畏敬
・愛
ポジティブ感情の効果
人間の脳は、ポジティブな気分のときに最もよく働くようにできています。
それは、ポジティブ感情によって脳がドーパミンやセロトニンで満たされ、脳の学習機能をつかさどる部分が活性化するからです。
ポジティブ感情で得られる効果には以下のようなものがあります。
・視野が広がる
・創造性が高まる
・ネガティブ感情を打ち消す
・ストレスの低減
・レジリエンスを高める
このように、ポジティブ感情は様々な恩恵をもたらします。
成功するから幸せになるのではなく、幸せだからこそ成功するのです。
ネガティブ感情の効果
ここまでポジティブ感情の優位性を見てきましたが、ネガティブな感情を完全に失くせばいいというわけではありません。
ポジティブが過ぎると、「ポジティブ幻想」に陥り、理性を欠いた行動をとってしまいます。
そのため、「妄想」と「現実」はしっかり区別する必要があります。
ネガティブ感情にも、以下のようなメリットがあります。
・物事を冷静に見れる
・慎重に行動できる
・謙虚になれる
・自分と向き合うことができる
ポジティビティ比が大事
ポジティブ心理学者のバーバラ・フレドリクソンは著書『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』の中で次のように述べています。
感情の黄金比は「ポジティブ:ネガティブ=3:1」
「ポジティブ:ネガティブ=3:1」以上が幸せのティッピングポイントとされ、「ポジティブ:ネガティブ=8:1」以上になるとかえって逆効果になると述べられています。
結局は、ポジティブ感情とネガティブ感情のバランスが大事で、現実的な楽観主義をもつことが大事です。
「ポジティブ感情をメインで使い、ネガティブ感情でサポートする」というイメージをもっておくとよいでしょう。
ポジティブ感情を高める方法
幸せは自分自身の中にあるため、ポジティブ感情(幸福感)は、意識的に生み出すことができます。
幸せとはあくまでも心の状態であり、自分が世界をどう感じているかに左右されます。
そのため、幸せを追い求めることで、感情的な豊かさだけでなく、人生に数えきれないほどのポジティブな影響をもたらします。
ポジティブ感情を生み出す方法には以下のような方法があります。
①ポジティブなことに目を向ける
②エッセンシャル思考をもつ
③フローを生み出す
④成長マインドセット
⑤強みを生かす
⑥人間関係を大切にする
⑦ストレス対策を考える
⑧運動をする
⑨マインドフルネス
⑩セルフ・コンパッション
①ポジティブなことに目を向ける
人の脳は多くの情報を処理できず、入ってくる情報にフィルターをかけてます。
そのため、私たちは意識しているものにしか目を向けられず、他のものは見逃してしまいます。
これは「カラーバス効果」と言われています。
ある1つのことを意識することで、それに関する情報がどんどん入ってくるといるという現象。
そのため、意識的にポジティブなことに目を向けることで、ポジティブ感情を生み出せるようになります。
具体的には、以下のような方法があります。
・過去の成功体験を思い出す
・小さな目標を達成する
・身の回りに起きているポジティブなことを見つける
・1日の中であったポジティブなことを3つ日記に書く
・ネガティブなことをポジティブに変換する
②エッセンシャル思考をもつ
エッセンシャル思考とは、自分の本質的な目標を選択し、それに集中するという考え方です。
目標を追い求めること自体が幸せや人生の満足度と深く関わってくるため、自分にとって本当に大切なことに集中することで、幸福感が高まります。
③フローを生み出す
フローとは、ある物事に完全にのめり込んで集中している状態のことで、課題とスキルの両方が高いレベルで要求される際に経験することができます。
フローによってパフォーマンスが向上するだけでなく、幸福感が高まることが分かっています。
④成長マインドセットをもつ
成長マインドセットとは、人間の才能は努力で伸ばすことができるという信念のことです。
成長マインドセットを持ち「自分にはそれを乗り越える力があると信じる」ことで、出来事、状況をポジティブにとらえることが可能になります。
⑤強みを生かす
自分の強みを知り、それを生かすことでコントロール感覚が得られ、幸福感が高まります。
また、自分の強みを生かすことで、私たちの才能は大きく成長し、仕事や人間関係、健康などの面でもメリットを得ることができます。
強みや特性を知るうえで、以下のようなテストがオススメです。
⑥人間関係を大切にする
人が幸せに暮らすためには、他者とのつながりが欠かせません。
信頼できる友人、同僚、恋人などに囲まれていると、ポジティブな気分が高まります。
人との絆があれば、ストレスに襲われたときもメンタルの支えになり、不安や孤独に強くなります。
人間関係の中で、ポジティブ感情を生み出すには以下のようなことを意識するとよいでしょう。
・意識して人に親切にする
・ポジティブな人と関わる
・感謝の気持ちを忘れない
・笑顔を心がける
・他人を思いやる
⑦レジリエンスを高める
幸せな生活にはストレスが存在し、ストレスのない生活は必ずしも幸せとは言えません。
実際、ストレス度が高いことは、苦痛とも繁栄とも関連性があることが分かっています。(ストレス・パラドクス)
そのため、「ストレスは役に立つ」というマインドセットを持ち、ストレスを意識的にコントロールすることが重要になってきます。
⑧運動をする
運動は心身の健康にいいだけではなく、思考や感情に関わる神経伝達物質を増やし、脳のパフォーマンスを向上させることが分かっています。
運動によって増えるセロトニンやエンドルフィンなどは、気分を高めたり、緊張やストレスを和らげたり、幸福感を高めたりします。
⑨マインドフルネス
マインドフルネスとは、今という瞬間に意識を向け、自分が感じている感覚や感情、思考をありのままに観察している状態のことです。
マインドフルネスによって、過去や未来を忘れ、今に集中することで幸福感が高まります。
⑩セルフ・コンパッション
セルフ・コンパッションとは、自分自身の不完全さを受け入れ、自分に対して大切な友人のように優しく思いやりをもって接することです。
セルフ・コンパッションが高い人は、幸福度が高く、メンタルも安定し、人生への満足度が高いことが分かっています。
最後に
ポジティブ心理学について重要なポイントをまとめます。
・ポジティブ心理学とは、人間の生活におけるポジティブな側面に関する心理学のこと。
・人間の脳は、ポジティブな気分のときに最もよく働くようにできている。
・ポジティブ感情が脳に競争優位をもたらす。
・感情の黄金比は「ポジティブ:ネガティブ=3:1」。
・成功するから幸せになるのではなく、幸せだからこそ成功する。
・幸せの感じやすさは遺伝で半分は決まってしまい、人が行動や考え方を通じて変えられる部分は40%。
・幸せは自分自身の中にあるため、ポジティブ感情(幸福感)は、意識的に生み出すことができる。
ポジティブ感情が脳に競争優位をもたらす。
人間の脳は、ポジティブな気分のときに最もよく働くようにできています。
視野が広がったり、創造性が高まったり、ストレスが低減したりと様々な恩恵が得られます。
幸せは自分自身の中にあるため、ポジティブ感情は、意識的に生み出すことができます。
以上です。それではまた!